そのムカつきは飲みすぎ?胃がムカムカする原因について

「う~、胃がムカムカする」二日酔いや食べすぎなど、胃がムカつくのはそんな解りやすい時ばかりではありません。お腹が減ったらムカムカする。仕事中に突然胃の痛みを感じるなどその症状はさまざまです。ここでは、胃のムカつきに悩んでいる方のために、胃がムカムカする原因についてご説明します。

【低血圧による胃のムカつき】

低血圧の人の多くが感じる胃のもたれやムカつき。これはいったいどんな原因で起こるのでしょうか。低血圧により基礎代謝が低下すれば、食べ物を消化し便を送り出す腸のぜん動運動が低下して胃もたれや吐き気を引き起こします。
一般に低血圧の人は乗り物酔いをしやすいと言いますが、体が上下左右に揺さぶられる環境で腸の中が消化不良の状態なのですから無理もないことかも知れません。

【タバコを吸って胃がムカムカする】

タバコを吸うと胃がムカムカする上に酸っぱい胃液が戻ってくることはありませんか。そのメカニズムは、まずタバコを吸うと血流量が低下します。普段タバコを吸う人で約20%と言われ、普段吸わない人がタバコを吸った場合は50%以上も低下するという報告もあるぐらいです。

血流量が低下すると胃の粘膜に張り巡らされた毛細血管に血液が行き渡らなくなり胃や食道の括約筋がたるんで酸性度の強い胃液が逆流するのです。喫煙は血流量が下がることによって胃腸ばかりでなく体のいたるところにダメージを与えます。やはりタバコは吸わない方がいいようですね。

【胃もたれによるムカつき】

当然のことですが、胃もたれの原因で一番多いのが暴飲暴食です。暴飲暴食をすると胃や腸は急に忙しくなって運動機能が低下、消化不良を起こして胃の中に食べ物が停滞します。これ以上消化するのはムリだから残ったものを戻そうとするのです。

会社の飲み会などでどうしても無理をすることがあるかも知れませんが、胃もたれが慢性化すると急性胃腸炎になる恐れがありますので注意が必要です。

慢性胃炎

夜になったら胃が痛い、お腹がへったらムカムカするなどの症状に覚えはありませんか。慢性胃炎は胃液の酸度が低下して胃壁が傷つきやすくなり、胃が炎症を起こす病気です。空腹時の腹痛やムカムカ感、食欲不振など差し迫った小症状がないため長期間市販の胃薬を飲み続けている人が多いようです。

また、慢性胃炎のそもそもの要因としては、偏った食生活、睡眠不足、精神的なストレスが大きく関わっているとされています。そう言えば、いらいらすると胃が痛いという人多いですよね。

【そのムカつき胃潰瘍かも】

食事の後胃がムカムカする、いらいらした時に胃が痛いなど、慢性的な胃の痛みや、ムカつきが続くようなら胃潰瘍かも知れません。胃潰瘍は日本人に大変多い病気で病院にいけばほとんどの場合薬で治療できますが症状が悪化すると、胃に穴が開いてしまうこともあります。
胃潰瘍のほとんどはピロリ菌という細菌が胃の粘膜に感染して起こる病気で、ピロリ菌の除菌薬を1~2週間服用することで完治する場合も多く、このような症状で長年悩まれている方は早めの受診をお勧めします。

【十二指腸潰瘍】

朝起きた時やお腹が減った時の胃のムカつきや痛み。このケースでは急性胃炎胃潰瘍、十二指腸潰瘍が想定されますが、十二指腸潰瘍にはその他にも食べ物を食べたら痛みが治まるという特徴があります。十二指腸潰瘍とは、十二指腸の薄い粘膜がただれる病気で、空腹時に胃が痛む理由は、酸性の胃液が十二指腸のただれた部分を刺激するからと考えられています。

十二指腸潰瘍になる原因の多くは胃潰瘍と同じくピロリ菌の感染によるものですが、他にも、飲酒や喫煙を長年続けること、過労やストレスなどの精神的な要因も考えられます。

【気をつけたい胃がんによる胃のむかつき】

長年胃の痛みとつきあっている人に限って「まさか、がんなんてありえない」と信じている人が多いようですが…、(実は筆者の私もその一人でした)
かつては日本人のがんによる死亡率1位が胃がんだったことを思い出してください。

胃がんの初期症状は胃のもたれやむかつき、みぞおちあたりに違和感を感じる、しくしく刺すような痛み、何ともいえないズーンとくる痛みですが、最初は時々なのに、だんだん間隔が短くなってきます。また、注意していただきたいのは、黒いべたべたした便が出た時です。これは血便で胃や十二指腸など肛門に遠い消化器官の上部で出血している可能性があります。

以上2つの症状を自覚したら、早急に受診されることをお勧めします。もしもがんだとしても早期発見の可能性があります。

いかがでしたか、胃がムカムカすると言っても色々な原因があるようです。ただの胃もたれやタバコの吸いすぎならいいのですが、同じような症状でも深刻な病気が隠れている場合もあるので、胃の痛みやムカムカが続くようなら胃薬でごまかさないで、早めの受診をお勧めします。いくら仕事が忙しくても無理は禁物です。