そのチクチク痛み盲腸かも?なめちゃいけない盲腸の原因と症状

いくら胃薬を飲んでもお腹のチクチクが止まらない。心配になって病院に行ったら盲腸と言われた。なんてことはよくある話です。そこで今回は盲腸の原因と症状についてお伝えします。忙しいからって我慢してると大変なことになりますよ。

そもそも盲腸(虫垂炎)とは

盲腸は右下腹の小腸と大腸の間にある臓器ですが、その先にリンパ組織が集まった虫垂(ちゅうすい)と言われる突起物(長さ6cm~8cm、太さが鉛筆程度)があります。
盲腸(虫垂炎)とはその虫垂が何らかの原因で炎症を起こす病気です。年齢や性別に関わらず発症の可能性がありますが、ピークは10代から20代が中心です。また日本人の15人に一人が発病の可能性があると言われ、かつては死亡率が60%に至る恐ろしい病気と考えられていました。

〔盲腸の原因〕

盲腸の主な原因はウイルス感染や便秘などですが、意外なことが原因で盲腸になることもあります。ここでは盲腸になるさまざまな原因についてご説明します。

【1. ウイルスによる感染】

風邪や疲労による著しい抵抗力の低下などで虫垂内にウイルスの進入を許すと盲腸炎を引き起こす原因になります。ちなみに盲腸は急性虫垂炎が正式名称です。

【2. 便秘】

便秘は女性のみならず男性にも多い病気ですが、便秘で腸の中に便が溜まってしまうと腸が垂れ下がって虫垂を圧迫し虫垂炎を引き起こすことがあります。いずれにしろ便秘は体に有毒な老廃物を腸内に溜めている状態です。盲腸のみならずさまざまな健康障害の原因になりますので早めの改善が必要です。

【3. ストレスや暴飲暴食】

自立神経は心臓を中心とした循環器や胃や腸などの消化器、肺や気管支などの呼吸器などの活動のために24時間働き続けている神経ですが、睡眠不足や精神的なストレスで自立神経の働きが乱れると、ウイルスによる抵抗力が低下して盲腸の原因になります。
また暴飲暴食で常に胃腸に負担をかけるのも結果的に盲腸のリスクを高めることになります。睡眠不足やストレスを含め日頃の生活習慣や食生活の見直しが必要です。

〔盲腸の主な症状について〕

盲腸の初期症状は腹痛ですが、前後して吐き気や発熱を伴う場合もあります。ここでは盲腸の初期に起こるさまざまな症状についてご説明します。

【1.腹痛と痛みの経緯】

盲腸の場合に必ず起こる症状が腹痛です。人によって痛みの感じ方は違いますが、多くの人の場合は、まず下腹部に重たい痛みを感じ、時間が経過するに従い右下腹を中心に激しい痛みを感じるようになります。またまれに腰痛を伴うこともありますが、これは虫垂が体の後ろ側にある場合や癒着などが原因です。

【2.圧痛】

盲腸の症状の中には、下腹に原因不明の痛みが続く場合があります、これは仕事や学校に通えないほどの痛みではないため見落としがちになりますが、右下腹を押して圧痛を感じるようなら虫垂炎の疑いが濃厚です。これは右下腹を押さえることによって虫垂から直接感じる痛みで盲腸では必ず見られる症状です。

【3.吐き気】

盲腸の初期症状でよくあるのが下腹部の痛みに伴って起こる吐き気です。この症状は継続的に起こるものではないので時間がたてば治まりますが、それがかえって発見を遅らせる原因にもなります。さらに虫垂炎が悪化すると吐き気を感じる周期が短くなり、腹膜炎にまで達すると下腹部の激しい痛みを伴うようになります。

【4.発熱と呼吸数、脈拍の増加】

盲腸の特徴的な症状としてあげられるのが下腹部の痛みに伴う発熱です。38度以上の高熱になることはまれですが、一般的には26度後半から27度の微熱が続きます。風邪による発熱と判断を誤る場合もあるので注意が必要です。
また発熱に伴いわずかですが呼吸数や脈拍も増加します。ただし虫垂炎が腹膜炎まで進行すると体温が上昇し呼吸数も脈拍も著しく増加します。

【まとめ ~早めの検診と予防について~】

盲腸は待ったなしの急性虫垂炎でない限り、じわじわした下腹部の痛みや吐き気などを感じるだけなので、ついがまんしてしまいがちですが、今回ご紹介した症状を参考に疑わしいと思ったら一度病院で診察を受けることをお勧めします。
また若い人に多い病気です。ぜひ日頃の生活習慣や食生活を見直して盲腸の予防に心がけてください。